【完全保存版】柔道整復師が扱う電気治療とは

膝を打撲した少年に柔道整復師が処置 柔道整復師

【完全保存版】柔道整復師が扱う電気治療とは

〜種類・効果・法律・世界の立場まですべて整えます〜

はじめに|「その電気、意味ありますか?」

接骨院でよく見かける電気治療。
当たり前のように使われていますが、患者さまにとっては「これは何のための電気なんだろう?」と疑問に思われることも少なくありません。
本記事では、柔道整復師として電気治療にどう向き合うべきか、種類や効果、注意点、そして世界の評価まで、できるだけわかりやすくご紹介してまいります。

第1章|柔道整復師が扱える電気治療機器とは?

国家資格で扱える6種の主要機器

柔道整復師が使用できる電気機器には、以下のようなものがあります。

  • 低周波治療器(TENS)
  • 干渉波治療器
  • 高周波治療器(ラジオ波など)
  • 微弱電流(マイクロカレント:MENS)
  • EMS(筋電気刺激装置)
  • 超音波治療器(※電気ではありませんが、併用されることが多いです)

いずれも厚生労働省の管理のもと、国家資格者のみが扱える機器です。

第2章|電気治療の種類とその特徴

目的に応じた使い分けが鍵となります

  • 低周波(TENS):鎮痛・筋緊張緩和/ピリピリとした刺激
  • 干渉波:深部の刺激・血流促進/複雑なうねり感
  • 高周波:深部加温・可動域改善/温かさを感じる
  • 微弱電流(MENS):損傷組織の回復促進/無感覚
  • EMS:筋力低下の予防・廃用対策/強い筋収縮

第3章|「強さ」ではなく「適切さ」が大切

電気治療の強度設定に関する考え方

よく「電気は強い方が効く」と思われがちですが、実はそうとは限りません。
目的に応じて適切な強度を設定することが大切です。

例えば、筋肉をリラックスさせる目的であれば心地よい程度が理想的です。
逆に廃用予防や筋トレ目的であれば、明確な筋収縮が必要になります。

第4章|日本整形外科学会の見解とは?

ガイドラインが示す推奨度の実際

TENSの慢性痛への使用については、「弱く推奨しない(グレード2C)」という評価がなされています。
ただし、変形性膝関節症などの一部疾患では効果が認められた例もあります。

私たち柔道整復師は、こうしたエビデンスを踏まえたうえで、必要性を見極めながら補助療法として取り入れていく姿勢が求められます。

第5章|世界のガイドラインと電気治療の評価

海外ではどのように扱われているか?

  • NICE(イギリス):腰痛にTENSを推奨せず
  • AAOS(アメリカ整形外科学会):慢性関節痛に非推奨
  • OARSI(国際変形性関節症学会):一部症例に慎重姿勢

ただし、手術後のリハビリや廃用性筋萎縮の予防においては、EMSなどの電気療法が有効とされている場面もあります。

第6章|NASAが注目する微弱電流(MENS)

宇宙医学の現場でも研究が進む分野

NASAでは微弱電流を活用し、宇宙飛行士の筋力低下や骨密度減少への対策として研究を進めています。
損傷組織の修復や細胞再生への効果が期待されており、電気治療の未来の可能性を広げる注目分野です。

第7章|炎症期には注意が必要です

電気治療と炎症性反応の関係

急性期の炎症が強い段階で強刺激の電気を使うと、炎症の悪化につながることがあります。
一方で微弱電流は、炎症性サイトカインの抑制が期待され、炎症収束のサポートとして使われることもあります。

第8章|RICE/RISE原則と電気治療の位置づけ

急性期の基本原則とその後のフェーズ

RICEやRISE(安静・冷却・固定・挙上)には電気治療は含まれていません。
しかし安静期を終えた「回復期」には、活動再開を助ける補助療法として電気治療が有効に使われる場面もあります。

第9章|電気治療が使えないケース

禁忌症の理解と安全な施術のために

  • ペースメーカーを使用している方
  • 妊娠中(腹部・腰部への通電)
  • 悪性腫瘍がある部位
  • 出血・感染部位
  • 感覚障害がある部位

第10章|補助機器との併用も効果的です

電気以外のサポート機器もご紹介

  • ウォーターベッド:筋緊張の緩和とリラクゼーション
  • 酸素カプセル:疲労回復や代謝改善への期待
  • メドマー:静脈還流の促進とむくみ対策

第11章|柔道整復師としての電気治療の心構え

目的を明確に、安全かつ誠実に

電気治療はあくまで「手段」であり、患者さまの症状を的確に把握し、「なぜ今、これを使うのか」を常に意識することが求められます。
柔道整復師としての誠実さと臨床判断が何より大切です。

おわりに|道具としての電気と“整える”という心

電気は便利なツールですが、それだけでは患者さまを整えることはできません。
私たちが行うのは「症状の背景」まで汲み取った施術であり、その根底にあるのは“誠実さ”と“継続的な学び”です。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
これからも、現場の声を大切に、丁寧に、真心をもって整えてまいります。

参考リンク:日本整形外科学会公式サイト

澤田 賢二(Kenji Sawada)
柔道整復師・介護支援専門員/接骨院「整え.jp」運営
行政指導・自己破産・再起を経験し、「壊れても、整え続ける」道を歩む。
医療・介護のはざまで苦しむ人々の“整い”を支える活動を続けています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました