柔道整復師は診断できません。しかし、“診ようとする覚悟”こそが施術の本質であると考えます。
更新日:2025年6月17日|執筆:けんじ接骨院
はじめに:診断と施術の間で揺れる柔道整復師の皆さまへ
柔道整復師は、法的に「診断」を行うことはできません。
しかし、現場では患者さまの不安に寄り添いたいという気持ちと、「診断できない自分」との間で葛藤する方も多いのではないでしょうか。
本記事では、柔道整復師としての本質や、私自身の臨床経験から得た「施術とは何か」という視点を皆さまと共有させていただきます。
医師と柔道整復師の役割の違いについて
医師は「診察・診断・治療」を行うことができます。一方、柔道整復師に求められるのは「状態の確認」「判断」「後療法の実施」です。
それでも私たちは、患者さまの痛みや不調をあらゆる角度から読み取り、整復の判断を行うために努めております。
診断は行えませんが、“診ようとする心構え”を持つことは可能であり、それこそが整復師としての誠意だと私は考えています。
施術が“やりすぎ”になってしまう現場について
昨今では、ハイボルテージ療法やマイクロカレント、筋膜リリース、アジャストメントといった言葉が頻繁に使われています。
「何かをしてあげないといけない」「目に見えることをしないと不安がられる」といった焦りが、時に必要以上の刺激や処置へつながってしまう現場も見受けられます。
しかし、何もしないという選択こそが、最善となる場合もあるのです。
柔道整復師に求められる“診る気持ち”とは
柔道整復師は、診断という行為こそできませんが、患者さまの痛み・表情・動作・声色などから、あらゆる情報を読み取ろうとする努力を惜しむべきではありません。
これは“診る”という行為ではなく、“診ようとする気持ち”に他なりません。
この姿勢があってこそ、患者さまとの信頼関係が生まれ、整える力が発揮されるのではないかと考えております。
何も「しない」ことも、立派な施術です
初回処置においては、電気刺激や手技療法をあえて行わず、「固定」「説明」「安静の指導」のみにとどめることが適切な場合がございます。
その判断には、豊富な経験と冷静な観察力が求められます。
「何もしなかった」のではなく、「何かをしない判断をした」という誇りを、柔道整復師として持っていたいと私は願っております。
おわりに:整えるということ
整えるとは、手技を駆使することではありません。
整えるとは、「見極める力」「伝える力」「余計なことをしない勇気」だと私は捉えています。
私たちは医師ではありません。しかし、医療に携わる者としての責任と誠意を持ち、患者さまにとっての最善とは何かを、常に問い続けてまいりたいと思います。
柔道整復師・介護支援専門員/接骨院「整え.jp」運営
行政指導・自己破産・再起を経験し、「壊れても、整え続ける」道を歩む。
医療・介護のはざまで苦しむ人々の“整い”を支える活動を続けています。


コメント